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見学を終えた時点で、強烈に印象に残った事が2つあります。非常にオープンで開放的な学校であるという事と、風力・太陽光発電機、雨水池、屋上緑化など、自然環境への配慮があるという事の2つです。
オープンで開放的な学校
![]() 校舎の南側。奥に見えるのはグラウンド。 |
学校と言うと、比較的閉鎖的な空間であると思いますが、この多治見中学校は校内と校外の境界が柔らかく、校舎の南側では、近くにある三ツ池と言う小さな池まで、芝生の広場が繋がっています。そうする事で、独立した閉鎖的な空間から、周辺の環境となじませた開放的な感じが出ています。「学校」-「周辺」と境界がはっきりしたものではなく、学校~周辺と言った柔らかな感じです。 |
その中庭に面して開放的な廊下があったり、2階からも直接中庭に降りられる階段があったりと、校内でも、屋内と屋外の境界が柔らかいです。象設計のウェブサイトを見ると、中庭や東側にあるプロムナード(遊歩道)は地域の方々にも開放されているみたいです。
ドアや窓などの建具は、透過性の高いガラス部分を多くして、圧迫感を少なくし、光を多く取り入れ、また視野も広くして開放感を出していると思います。建具に限らず、上記で書いた中庭に面した開放的な廊下は、壁がなく、2階以上も壁ではなく柵を取り付けるだけにしています。風のある雨の日は、結構廊下の中の方まで濡れるんじゃないかなと思いますが、廊下が(中庭も)すのこ状態にしてあるのは、そう言った事を考慮してあるからでしょうか。また教室は、1クラス1教室ではなく、2クラス1教室としてあり、間に共有スペースが設置されています。 |
自然環境への配慮
中庭の沢山の植栽を筆頭に、屋上には芝生を敷いて屋上緑化にしたり、ベランダ・廊下の柵周りやプロムナードなど、校内のありとあらゆる所の植栽が目に入ります。とにかく植栽の量が多いです。その植栽への水やりには、雨水を利用しているそうです。屋上緑化は、ヒートアイランド現象を防止したり、建物の断熱効果の向上に役だっているようです。
![]() 太陽の光を遮る様にして、色の付いたガラスが設置してある。 |
上記2つが強烈な印象を受けましたが、他に福祉にも配慮してあります。校内にエレベータを設置したり、教室は全てバリアフリーになっているようです。屋上や3階などの陽が当たるエレベータの向かいには、太陽光を遮るように色の付いたガラスが設置してあったのですが、エレベータに直接当たると何かしらの障害が発生したりするのでしょうか。 |
![]() 至る所に貼ってあった、警備実施中のステッカー。 |
学校と外との境界が柔らかいと書きましたが、最近の犯罪などを考えると、開放的にしてどこまで安全を確保出来ているのかが問題だと思います。セキュリティ会社には加入しているらしく、至る所に警備実施中のステッカーが貼ってありました。だが実際に不審者が現れた時に、どの様に対処するか難しい問題だと思います。 |
多治見中学校は自然が多く、素晴らしい学校、もとい素晴らしい空間と思います。この学校で、感性豊かな子が育っていってくれれば良いと思います。当たり前かもしれませんが、校内を見学中に部活で登校している(と思う)生徒とすれ違ったのですが、向こうから挨拶してくれた事は嬉しかったです。守衛さん(事務員さん?)も良い人で、帰り際に「また見学に来てね」と言って頂きました、ありがたいです。